WEBデザイナーと聞くと納期に追われながらWEBサイトを作って納品して毎日終電帰りってのを想像するかもしれませんよね。でも実はWEBデザイナーの仕事は制作会社だけではなくインハウスのデザイナーという働き方も存在しています。
インハウスのWEBデザイナーと制作会社のWEBデザイナー、同じWEBデザイナーですが全く別の職業か?と思うほど業務内容や待遇が違います。
ここでは実際に制作会社からインハウスのWEBデザイナーに転職した筆者が、転職してよかったこと悪かったことを書いていきます。
インハウスのWEBデザイナーとは?
ここ10年でインターネットの発展によりどんな会社でもWEBサイトを持つことが当たり前となりました。
WEB制作会社に外注するとちょっとの作業でかなりお金を取られたり、やりとりに手間と時間がかかりフットワークが重くなったりします。
そこで自社でWEB部門を作って専属のWEBデザイナーを雇おうといった流れになりました。
ある程度の規模の会社になると当然経理担当がいるようにある程度の規模の会社になると一社に一人はWEB担当者がいるのが当たり前になってきました。
求人を見ていると歯科医院に勤めるWEBデザイナー、仏壇仏具の会社に勤めるWEBデザイナー、風俗やキャバクラなどのナイトワークに勤務するWEBデザイナーもいるほどWEBデザイナーは日常に溶け込んでいます。
特にここ数年はコロナの影響でECサイトの需要が急激に高まった結果、今までECサイトに力を入れていなかった会社もこぞって参入したので、ECサイトの運営担当のWEBデザイナーの求人が急増していました。
未経験から目指す人にとってはかっこうの転職市場だったのではないでしょうか。
インハウスのWEBデザイナーに転職して良かったこと
さてここからは実際にWEB制作会社からインハウスのWEBデザイナーに転職した筆者が転職してよかったことと悪かったことを書いていこうと思います。
よかったこと1 : 自分の存在が認められる
筆者が以前いた制作会社は分業化が進んでいて業務がマニュアル化されていたので結局誰が作っても同じ成果になるようにあらかじめ管理されていました。
そして一つのサイトを作り終わった後は息つく間も無く次のサイトを作らなければいけなかったので達成感も味わうことがなく完全に機械のようでした。
インハウスの場合、社内で運営しているいくつかの自社サイトをじっくり育てていく必要があります。
自分が行った施作が直接売り上げに直結するので責任も重大でやりがいがあります。
会社内にたくさん部署がある中でのWEB部門として雇われるので周りにWEBに詳しい人が少ないのも特徴の一つです。
そのため、WEBのことについて意見を求められたり、実際に企画を立案したりと自分から発信して動くことができます。
自分の存在が認められたり期待されるってだけで頑張ろうって思えますよね。
よかったこと2 : 時間に余裕がある
web制作会社の場合、サイトを納品しなければ利益が発生しないので、ひたすら作って納品してを繰り返すことになります。そして一つ一つのサイトには納期があり、それを3つ4つ抱えながら同時並行で作業することになるのでどうしても労働時間が長くなりブラック化しがちです。
しかしインハウスのwebデザイナーの場合、会社ですでに売り上げがあり、WEBの力を使ってどうやってさらに売り上げを伸ばしていくかを考えていくので比較的時間に余裕があります。
季節のイベントなどを除き、納期は自分たちで決めるため、考える時間や勉強する時間も十分にとることができ、制作会社より圧倒的に暇なのにスキルは向上するといった謎の現象がおこります。
よかったこと3 : 給料が上がった
WEB制作会社の場合、他に事業を展開していない限り、商品はWEBサイトに限られてきます。
WEBサイト一個の単価は大体決まっているため数をいくら捌くかの勝負になってきます。
WEB制作会社の場合、参入障壁が低いので競合が増え続けていく事に加え、個人でもWEBサイトやECサイトを作れる便利なサービスの増加により、利益を上げるためには凝ったデザインや充実したサポートなど一つのサイトを作り上げるために多くの労力を割かなければいけなくなりました。
手間が増えた上に競合は増え続けるので利益を上げるには結局サイトをたくさん作らなければいけなくなります。その結果激務になります。
インハウスのデザイナーの場合勤めている会社の大きさや業種の収益性によって大きく変わってきます。
例えば安い商品を大量に裁かなければ利益が出ないECサイトの運営と一件獲得すれば数百万の利益がある不動産のWEBデザイナーではやってる作業や求められるスキルは大して変わらないのに年収が数百万円変わるなんてこともザラにあります。
そしてインハウスのデザイナーを雇える状況にある会社は経営が安定している会社がほとんどなので制作会社のWEBデザイナーより給料が安定しているケースが多いです。
よかったこと4 : たくさんのスキルを覚えられる
制作会社の場合、多くの会社が分業化されている上に、作るサイトが変わるだけでやっていることは毎日同じなので、ある程度業務を覚えてしまった後はトレンドを追っかけていくだけになるのでスキルの成長は急速に鈍化します。
インハウスのデザイナーの場合、結構やることが多いです。WEBコーディングだけではなくデザイン、SEO、ライティング、データ分析、動画作成、新規事業の企画、広告運用、SNS運用、メルマガ作成、グラフィック作成、etc…
前述した通り時間には余裕があるので一個一個確実に覚えていく事ができます。
インハウスのWEBデザイナーに転職して微妙だった点
これまでよかったことを書いてきましたがインハウスのデザイナーにも欠点があります。
以下はインハウスのデザイナーになって微妙だった点です。
WEBの事をわかる人が周りにいない
特に設立数十年とかの古い会社に入ると自分では制作会社時代は当たり前ように思っていたことが当たり前じゃなかったりします。(転職する前にHPの古さとかである程度判断できます。)
Googleスプレッドシート?何それ?Excelに決まってるでしょ。って会社も多いです。
WEB部門が自分一人だった場合などは制作会社時代には当たり前のように通用していた会話ができません。そしてwebの事をわかっていない上司や社長などがいるといちいち説明しなければいけないことも多々あります。
このままでいいのかと不安になる
給料が上がった上に毎日定時帰りになりました。
制作会社時代は毎日終電、ときには始発まで働かされていたので急に時間が空き不安になります。
そしてこんなぬるま湯に浸かった状態でいいのかとたまに不安になります。
筆者はそういった経緯で暇な時間に複数のWEBサイトを運営しているので、本業や副業とは別に毎月10〜15万円ほど副収入が入ってきます。制作会社にいたら絶対無理だったので結果的にやめてよかったと思っています。
まとめ:良いことの方が多かった
WEB制作会社からインハウスのWEBデザイナーに転職した筆者が転職して良かった点と悪かった点を書きましたが、制作会社時代は鬱で体や心を壊して辞めてく人も多かったので本当にやめてよかったと思っています。
空いた時間で勉強や副業もできるのでWEB制作会社時代には絶対にできなかった自分で人生をコントロールしている感覚がすごいです。
そしてもう制作会社に戻ることはないでしょう。
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