コロナ以降「リモートワークができる仕事に就きたい」「将来AIに奪われない仕事に就きたい」とWEB 業界への転職を希望する人が増えているかと思います。
今回は未経験からWEBデザイナーやWEBエンジニアを目指す人に向け、気をつけた方がいい悪質な求人を書いていきます。
実際に目にした気をつけた方がいい求人
先日、大手求人サイトで「webデザイナー 未経験」で検索すると下記のような求人が出てきました。
要約すると『未経験からWEBデザイナーを目指せる』といった内容です。
一見すると未経験からWEBデザイナーを目指す人にとっては魅力的な求人に見えると思います。
試しに「会社名+評判」で検索してみたところ、その実態はWEBデザイナーとは全く関係のない普通の派遣会社でした。
詳しく調べていくと、実際の業務内容は、家電量販店の販売員やコールセンターのクレーム処理など、WEBと全く関係ない業務をこなしつつ、休みの日に企業が運営するスクールに通うといった内容です。
この求人の恐いところは、webデザイナーに関する業務内容しか記載されておらず、派遣会社で他の業務をすることについて一切記載されていない点です。
面接に来た人に対しはじめて派遣業務で働く事実を告げ、巧妙に言いくるめて派遣会社に登録させるという手法です。
後ろめたいため求人情報には記載していないか、WEBデザイナーになれると書いた方が人を集めやすいのかはわかりませんが、こういうことを平気でする会社なのでおそらくまともではありません。
こうした詐欺のような求人が、誰もが知っている求人サイトに普通に掲載されているので、知らない人は騙されてしまうと思います。
実際にこの求人を出してる会社の評判を調べたところ8割が以下のような口コミで溢れていました。
通信販売やコールセンターの勉強を優先しがちになるため、モチベーション維持が難しい
過程を修了しても仕事がもらえず、派遣で働いたままの方もいた
全く別の職種で働かせながら、自主勉強を強要される
急にカリキュラムが変わる
未経験からWEBデザイナーを目指すのであれば効率が悪すぎるので絶対にお勧めしません。
現在会社に勤めている方はおそらく収入が下がる上に、たいしてやりたくもない仕事をしながら勉強をすることになるので間違いなく遠回りになります。
本気でWEBデザイナーを目指すなら、自分で選んだ仕事をしながらスクールに行くか、無料の職業訓練校に通ったほうが早く就職可能です。
今では月一万円程度で通えるスクールも存在しているので、得意でもない仕事につかされ残った時間でWEBデザインの勉強をするよりも、これまでやっていた職業や、自分で選んだ仕事をやりながらスクールに通うことをおすすめします。
ちなみに「WEBエンジニア 未経験」で検索してみても似たような会社がたくさん出てくるので、WEBデザイナーに限ったことではありません。
SNSでもこんな書き込みもありました。
この前、就労支援系の仕事の人と話をしたが、最近は、ニートの若者がIT(Web、自社サ、メガベンチャーを想像してるらしい)に憧れてIT業界にチャレンジするものの、軒並みアレな会社に吸い込まれ、IT全く関係ない家電量販店案件やコルセン案件にぶち込まれては短期で離職してると聞いた。
— 堀洲 一剛 (@DbPolice01) January 22, 2023
未経験者を搾取するビジネスモデル
なぜこういったビジネスが横行しているかというと、詐欺師上がりの起業家や情報商材界隈で派遣会社をやれば簡単に儲かるという商材が出回っているからです。
派遣会社は在庫を持つ必要がなく特定派遣会社ですと立ち上げが容易で参入障壁がかなり低いので誰でも参入することができます。
加えてコロナの影響で失業者の増加と、失業の経験からリモートワークできるITの職種に勤めようとする人が急増しているので、IT未経験者を上手い具合に落とし込む搾取構造が出来上がりました。
派遣会社の場合、一度現場に派遣してしまえば教育の必要がなく、休日にスクールに送り込めばいいだけなのでかかるのはスクールの運営費用のみで限りなくリスクは低いといえます。
派遣社員がいればいるほど紹介料や仲介手数料が入ってくるので儲かっていく仕組みです。
派遣登録者がスクールに通えるのは土日だけなので技術を習得できるのは最低でも1年以上はかかります。
1年以上も派遣先からマージンを抜ければ十分に利益がでるので、自社で雇った派遣社員の技術の習得が遅れれば遅れるほど派遣会社としては利益が出ます。
そのため「未経験からエンジニアになれます!」「未経験からWEBデザイナーになれます!」と人を集めてとりあえず登録させ派遣します。
まとめ:未経験を積極的に採用してくる会社には気をつけよう
求人サイトなどで未経験者に積極的にスカウトメールを送ってくる企業はこういったケースが多いので、必ず「会社名+評判」でGoogle検索、SNS検索で口コミを調べるようにしましょう。
失業者であれば、失業保険か職業訓練受講給付金をもらいながらWEBの職業訓練校、在職者であれば仕事しながら独学かスクールでポートフォリをひたすら作って企業に応募するのがいいでしょう。
コメント